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日経新聞はこう読む

2007年7月29日 by スタッフ 木原 工   ブックマークに追加する

スタッフ 木原 工

 皆さんは、日経新聞をどのように読まれているだろうか。社会人ならば目を通すものであるが、読み方は人それぞれである。本稿では私見を混ぜて、日経新聞をどのように読めば良いかを考察する。

  
  
1)日経新聞の構成と私の読み方
 皆様はどのようなシーンで日経新聞を読まれるだろうか。私は、会社まで電車1本で行けるが、通勤時間が約1時間かかる。そのため通勤時間は、日経新聞を読む時間となっている。1時間もあれば、ほとんどのページに目を通すことが出来る。読むことが生活の無駄な時間をつぶす要素となっているため、新聞を読むことが苦にならない。新聞の読むコツは、日常の生活の中に上手く組み込むことである。特定の時間を強制的に新聞を読む時間に充てることで、それが日課となり、毎日の継続につながる。
 さて1面であるが、前日のトピックスがまとまっている。タイムリーで興味深いものもあれば、政策の流れのように今後の流れを大局的に説明するものもあるが、おおむね知っておいて不足はない情報が盛り込まれている。私は、この面は必ず目を通している。一面の文章は、紙面の制約があるため、整理された情報が載っている。たまに意図的に一元的な視点で書いている場合もあるため、物足りなさもあるが、自分の興味がない分野について、とりあえず押さえておくというスタンスならばちょうど良い。
 続く2~3面は、1面の内容を少し踏み込んでかかれている。経済の話ならば、たとえばTOBの話題であれば、それぞれの言い分と勝敗の分かれ目についての論点整理など、専門家や当事者の意見を重ねて説明している。また社説欄は、一面で書かれていることに対する背景を含めた意見を盛り込んでいる。社説では週刊誌のような踏み込んだ意見を書いているわけではないが、社会の一般的な視点(「外資によるTOBに備えよ」等)について、書いているので、社説を知っておけば、議論で外すことはないだろう。
 4面以降は、産業やテーマ別にトピックがかかれている。ある企業が新製品を発表したり、社会的な事件について述べていたり等である。このページからは、広告の紙面も多くなるため、実は枚数があるものの内容についてはそれほど多くない。私は、大見出しのみ読んで流してしまっている。
 中面程度からは、経済欄が始まる。前日のマーケット情報と株価前日終値が記載されている。株価の推移は、実際に株を購入すると真剣に見るようになる。自分の資産が値上がりしているのか、値下がりしているのかが生活に影響するためである。見方のコツとしては、全体感としてどの業界が好調なのかをスクリーニングすることである。新聞は、実際の売買を薦めたり、個別の株の推奨を行うことが自粛されている。そのため、新聞を読んで株の検討を始めることはしない方がよいだろう。購入は株式月刊誌を参考又はそれらの本に記されている指標分析から自ら決定し、売却のタイミングを新聞情報により行うことが適当だと思われる。
 その後は、経済教室、テレビ欄、スポーツ面、地域欄、社会欄と続き、最終面は小説となっている。この辺は非常にライトな内容になっているので、取っつきやすい。新聞を読む癖がない方は、こちらのページから入られると良いのではないかと思われる。
  
2)お薦めのページ
 私のお薦めは「経済教室」である。このページはシンクタンク時代の研修時に元調査部部長であった理事から進められ、その内容について深く講義を受けたものである。このページは、毎回経済学、社会学、政治学の大学の先生が新聞半面を使い論文を掲載するものである。学術論文の要約であるため、正直読みにくいが、深いことがかかれている。たとえば人口問題であれば、1面ならば、「今年度の出生率は上昇。」等の事実記載で終わる。2~3面でも、大臣や専門家による「この調子が続くように積極的な政策を採る」等の発言に収まり、その本質に近づくことはない。経済教室は、「長引く不況から通常の経済状況に変ったことによる世帯マインドの変化」や「完全失業率の低下」や「女性が再雇用されやすい環境となっていること」などその本質や一段ブレークダウンされた内容が統計と理論を併せて書かれている。経済学は、社会現象の一段深い現象を捉えて、感覚的な近接性を統計や理論により補強して実証するものである。普段このようなことをなおざりにしてしまいがちのため、このページを生活の一部に組み込むことの意味は経済学の視点を広げる点で大きい。
  
3)多くの社会人に好評のページ
 これは現在の勤め先の部で議論したときの話であるが、日経新聞でよく読む記事の一つに「私の履歴書」があげられている。これは、著名人が若かった頃、どのように苦難を乗り越えたのか、また社会的に取り上げられた成功事例について、本人の感覚を直接的に表現している。
 このページが好まれる理由は、あこがれの存在の人が体験した生の成功体験・失敗体験を自分に重ね合わせられるからである。現在、元ジャイアンツ選手・監督の長島茂雄氏が書かれているが、若い頃は研究熱心で、相手のピッチャーの映像を何度も見たり、それをふまえてバッティングの練習も何度も繰り返したことが書かれている。天才といわれた人も、努力をしていると思うと、天才でも秀才でもない自分はもっと努力をしなければならないと奮い立たされる。ただし長嶋茂雄も努力してスターになったのだから、もしかしたら自分も努力すればスターになれるかもしれないという気持ちにさせられる。このモチベーションを立ち上げさせるのに、先人の生の声というのは重要である。美しい経済論文も良いが、目の前の仕事をこなすことには余り役に立たない。それよりも人間味のあふれた経験談を目にすることで、自分の現状を先人に重ね合わせ、自分をエクステンションさせることの方がよっぽど仕事の効率を高めてくれる。
  
  
以上日経新聞の読み方について私見を述べたが
●新聞は、生活の中に取り込むことで毎日読むことが出来る。
●「経済教室」は、社会の深い点を論じている点で私のお気に入りとなっている。
●「私の履歴書」は、自分と先人を重ね合わせることが出来るため、多くの社会人に愛されている。
ということである。毎日読まれている方もそうでない方も、ご自身の新聞の読み方の参考にしていただけると幸いである。

 

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