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コイの処方箋

2007年7月 5日 by スタッフ 宮崎 善輝   ブックマークに追加する

スタッフ 宮崎 善輝

7月に入りもうそろそろ梅雨明けである。気温が上がり、段々と夏らしくなってきた。夏は恋の季節である。
私の周りには、Aさん、Bさん、Cさんといろいろ素敵な人がいる。どなたとお付き合いをしようか。それぞれ美点と欠点があり、一人に絞り込めないのでとても悩むのだ。


いやいや、この話は私の事ではなく友人の話である。なんともうらやましい話であるが、本人はいたって真剣に私へ相談してきたのだ。今回は、この悩める友人の話をしてみたい。もしあなたが悩ましい選択を迫られた時に、思い出してもらえればと思う。


【まずは聞く】
Aさんはお金持ちで高級車に乗っているけど身長が低い。Bさんは性格は素敵なのに眉毛の形が気に食わない、Cさんは仕事が出来て将来性があるのに趣味が合わない。
ああ、すべてが完璧な白馬の王子様はいないと嘆き、選択することは妥協だとうそぶく友人の話を聞いていると、気がつくことがある。
最終的にどうなりたいのかという目的が不明瞭であることと、それぞれの相手で評価軸がばらばらであることだ。
友達が欲しいのか恋人を探したいのか分からないし、将来性と眉毛という全く異質の要素が同じ土俵で語られているのだ。

なんにせよ、目的と判断基準を整理しないことには前に進まないので、これらの点を明らかにしていくことにする。
第一にやることは、まずはひたすら聞くことだ。聞きながら、自分の中である程度の「たぶんこうだろうな。」という「あたり」を付けておく。
とはいえ、延々とノロケ話や自慢話を聞き続けるのも、自分の精神衛生上よろしくないので、質問をして上記の2点を明らかにしていく。


このあたりをすっ飛ばして、いきなり「わかってないな~、だから君は○○なんだよ。こうすべきだよ。」と自説を振りかざし始めるのはレッドカードである。相談役としては失格である。「わかってくれないんだから、もー!」といわれて終わりである。


【目的を明らかにする】
「あなたはどうしたいのですか?」と漠然とした質問では、恐らく望むような回答は得られない。
この質問を聞いて、スパッと答えられるならそもそもこんな相談もしてこないだろう。


では、どのように質問するのか。そこで先ほどの「あたり」を引っ張ってくる。
例えば、友人が「複数の兄弟の一番下で、親はすでに高齢である。」「将来結婚したら子供はたくさん欲しい。」「仕事はあまり好きではない。」と言っていたとする。その話から、親に何かがある前に孫の顔を見せてやりたいし、たくさん子供を設けるなら体力のある若いうちのほうが良い、仕事より家庭を守るほうが性に合っている、ということで、20代前半の結婚を望んでいるのかもしれない、という「あたり」を付けてみる。
上記の「あたり」はかなり乱暴なものだが、とにかくなんでもよい。とりあえずその「あたり」を柱に質問をしていくと、友人はYES/NOを答えながら、自分の目的をいち早く見つけることが出来て話が早く進む。


【評価軸を洗い出す】
友人の話を訊いているときに出てきたポイントを整理してみる。経済力、人格、容姿、能力、将来性などなど。その際には、それぞれの評価軸のレベルを合わせておく必要がある。
そして、これらを一覧表にしてみる。縦軸にお相手を、横軸に評価軸を並べてみて、一つ一つの項目に評価を入れてみる。そうすると、先ほどの将来性と眉毛というレベルが違う話が整理され、やっとまともな比較ができるようになってくる。なんじゃそりゃと思うかもしれないが、とりあえずドライに評価をしてみる。大事なことは、同様の評価軸で数値に置き換えて、とかく定性的な評価に陥るところを定量的に明らかにしていくことである。
少なくとも、これでもやもやとした思考の迷路から抜け出せる。


しかしながら、こんなものは、所詮、自分ないし他人を説得させるためのエクスキューズに過ぎない、と私は思う。こんな、数字だけで人生の判断が出来るなら、それほど楽なことはない。この作業を通して一番大事なことは、最低限やるべきことはやったという事実と、最善を尽くしたという納得感である。


【最後は直感】
正直な話、こんな打算的に恋人を作るなんて信じられないと思う。実際、私も上記のような表なんて作ってはいない。たいてい、出会って一目惚れであったり、その人の素敵な考えや行動に感動したりして、ビビビッと恋に落ちるものだ。こんなことを言っては身も蓋もないが、最後は己の直感を信じるしかない。
直感はあてずっぽうではない。上記の数字を考慮した上で、意識で知覚していない評価基準も加えた上で総合的に判断しているものである。
どの判断をしても正解はないのだから、やれることはやったら、後は後悔しないように自分を納得させ、答えになるように努力していくことが重要だと思う。


この話は、何も恋に限って話をしたいのではない。たとえば、恋のお相手を、大学院進学か就職かの選択、もしくは転職先や引越先の決定などに置き換えてもいいかもしれない。
生活していて何か判断に悩んだときは同じように使えるものだと思う。

要素を整理し、評価軸を明確にして比較する。見える状態にしてから、価値観に沿って優先順位を付けて判断を下す。それでも、悩んだらあとは直感に聞く、ということだ。


私の話が効いたのか分からないが、どうやら友人は付き合う相手を決めたらしい。
幸せになってくれる事を望む。

人のことについては偉そうに色々と言えるものだ。しかし、いざ自分の話となったら、途端に頭を抱えてしまうだろう。でも、友人のような羨ましい状況は有り得ないから、そんな心配は要らないか。

 

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