文章は誰でもきれいにかける(1)

最近仕事をしている中で、文章を苦手としていると思われる方が多い。私自身もあまり上手ではないが、文章を上手に書く方法については、多少知っている。文章を上手に書く方法は、難しいものではない。そのため、その方法を知ると、誰でも比較的簡単にきれいな文章が書けると思う。
今回は、私が文章を書く時に気をつけている4つのポイントについて、整理してみる。この方法は、私が前職のシンクタンクにつとめている時代に、研修の一環として、元調査部部長にマンツーマンで指導されたもののうち、特に良かったと思われるエッセンスをまとめたものである。私が理科系出身であるため、理系の読者の方は比較的共感をいただけると感じている。その点で、多くの文章上達の書籍とは独自性を保てると感じている。
1)関節詩(「が」や「は」)に気をつける
理科系の人間は、文章の基本が出来ていない。この背景として理系の人間が小さな頃から読書のような論理性のあることより、算数のような直感性のあるようなものを好んできたためだと、私は考える。非常に荒い言い方だが、理系の方は日頃の話し言葉においても、トピックセンテンスをつなぎ合わせて、主張を組み立てているように思われる。ただしそれは、断片的な言葉の継続であり、伝えようとする意味は通じるものの、正しい文章構成ではない。
文章は、日本語という共通のプラットホーム内で言葉遣いを展開する必要がある。日本語は、主語・述語・修飾語を明瞭に展開することで分かりやすくなる。そのため、上手に関節詩を使い、言葉を丁寧に紡いでいく必要がある。言語というものは、共通の社会で共通に使われるものである。そのため自分にとっても聞き手にとっても同じ意味として使われる言葉ないし使い方をしなければならない。
そこで文章が下手な人が上手になるには、まず「が」や「は」を丁寧に使うことを気にすることが最優先課題だと思う。多くの人が書く文章を見ると、「一文の中で、「は」は一回のみ」や「句読点を丁寧に打つと読みやすくなる」や「主語が二つあることを避ける」や「逆接や順接の接続詞を使い分ける」などの超基本テクニックを逸脱しているものが散見される。このような基本項目は、話し手にとってささいなことであっても、聞き手にとっては大きな誤解につながる。であるため、注意して使わなければならない。(基本的なテクニカルな話は、文章上達の書籍を読んでいただければ足りると思われる。)
多くの文章指南書は、もともと国語文法の基礎が出来ている人向けに書かれているため、このような基本的なことを指摘することはない。ただし、この基本事項無しに文章の上達はないため、心にとどめる必要がある。
2)語彙をふくらまそう
理系の人間は、言葉を知らない。前回にも書いたが理系の人間は、読書より算数を好んできたため、言葉の言い換えの幅が少ない。たとえば、「~と思う。」という文章の下りも、「~だと推測する。」「~と考えられる。」「~と思量する。」「~と察する。」等と多くの使い方がある。文章を上達とは、このような豊かな表現を身につけることである。「~思う。」は個人が思考にふける姿であり、これを言い換えて「~と思量する。」となればフォーマルであり、「~だと推測する。」となれば前提事項をふまえて論旨を展開していることであり、「~と考えられる。」となれば自己で吟味した結果ということになる。同じ意味でも、表現の幅は全く異なる。この全く異なる表現を適材適所に利用することが、表現の豊かさにつながる。文章が豊かであることは、これらの幅が広いことにつながる。そのため語彙をふくらませることは、表現の幅の広がりにつながり、文章の上達につながるといえる。
前回と今回の内容で、初心者にとっての文章力としては、ほぼ十分な水準が担保できると感じている。特に語彙は、いくらでも増やすことが可能である。そのため慣れてきても、文章が下手と指摘されるのは、語彙が指摘者より劣るためと考えればよい。ビジネス上の指摘では、内容が伝われば良いため、良質な文章にこだわることがない。よって語彙が少ないことを指摘されればその都度覚えれば、そのうち上司に指摘されることは無くなる。
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木原 工 (きはら たくみ)
都市銀行勤務 地方銀行シンクタンクに新卒入社。地域経済・地域社会分析、地方公営企業経営コンサルティングを担当。その後、都市銀行に転職。不動産ユニットにて、不動産投資計画立案等を担当。専門分野は、都市計画、地域経済、地方行政等。
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