文章は誰でもきれいにかける(2)

3)センテンス内で主張は一つ
内容がたくさん詰まっている大きな文章を書くときは、前回の検討のみでは足りない。長い文章を書くときに必要なテクニックは、論旨の展開である。今回は、トピック内における論旨の展開の仕方とトピック間における論旨の展開の仕方をを説明する。
文章が下手な人間は、自分の主張を羅列する傾向にある。自分の主張の羅列は、多くの意見をアウトプットすると言う点では好ましい。しかしそれは、複数の主張が混在するため、もっとも大事なことを見失いがちとなる。雑な例ではあるが、「私はAと考え、Bに笑い、Cで騒ぐ。」などとすると、それぞれ言いたいのはわかるが、何が言いたいのかは不明である。
文章を書くことは、主張を理解してもらうことである。そのため、もっとも大切な主張を担保するために、ほかの主張を削除する必要がある。文章は、センテンス内に主張を一つに絞り込むことで読みやすいものとなる。話し言葉でも複数の主張を一度に話す人もいるが、その人は「何を言っているのかわからない」と言われがちであろう。文章においても話し言葉と同様に、一度に多くの主張をすると、読み手に伝わらなくなる。
センテンスで主張を一つにしたならば、後の文章は、その主張を助けるための装飾に徹するべきである。主張のデコレーションをすることで主張がさらに強化され、読者に理解されやすくなる。このようにして一つの段落を作り上げる工夫が必要である。前の段落もよく見ると、主張は第一文のみである。それ以降の文章は、第一文をそう食すためにごたごた書いているだけであり、簡潔にまとめるならば、第一文のみで事足りる。段落を作り上げるときは、一つの段落で一つのテーマをこれでもかと言うくらいに丁寧につづりあげる必要がある。
4)文章を組み立てる
文章は、各主張をまとめたセンテンスを、どのような順番で説明するかを検討することで、さらに読みやすくなる。雑な例とすると、
第一段落:私は、Aが一番良いと思う。
第二段落:Aは~である。
第三段落:Bは~である。
第四段落:Cは~である。
第五段落:AとBとCを比較すると、Aが一番良い。
と並べることと、
第一段落:Cは~である。
第二段落:Aは~である。
第三段落:Bは~である。
第四段落:AとBとCを比較すると、Aが一番良い。
第五段落:私は、Aが一番良いと思う。
と並べることで印象は異なる。前の文章は主張を冒頭に持ってくるのでビジネス向きであり、後の文章は理解の順にかかれているため論述向きである。このようにTPOに応じて書き方や言い方を変えると印象も変わるため、使い分ける幅を持っていると良い。
以上、2回にわたり文章の書き方についてまとめた。ドキュメント作成は、仕事をする上で多数発生する。文章が下手と指摘される方は、上記のどのフェーズで指摘されているか考えてみていただきたい。もし1で指摘されているならば関節詩の使い方を注意すればよく、2で指摘されているならば、表現の幅を広げるべく勉強すればよく(常に国語辞典を引くなどの癖をつければよい)、3で指摘されるならば一つの主張を落着いて書くことに注意すればよく、4で指摘されるならばTPOに合わせた文章の印象度を理解すればよい。多くの上司や指摘者は、文章が下手なため、これらの違いがわからず、「なんか読みにくいから書き直して」と曖昧に指摘する人が多い。ただし、このようにビットサイズに問題を落とし込めば、解決策は容易である。逆に文章力が稚拙な上司や指摘者は、今回説明した程度の理解があれば、軽くかわせることと思われる。ぜひ、日々の生活で取り込んでみていただきたい。
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木原 工 (きはら たくみ)
都市銀行勤務 地方銀行シンクタンクに新卒入社。地域経済・地域社会分析、地方公営企業経営コンサルティングを担当。その後、都市銀行に転職。不動産ユニットにて、不動産投資計画立案等を担当。専門分野は、都市計画、地域経済、地方行政等。
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