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企業参謀

2008年6月 7日 by アドバイザー 河合 拓   ブックマークに追加する

アドバイザー 河合 拓

経営コンサルティングという仕事から、仕事の内容がどんどん広がってきている。最近では、上場企業のCEOの参謀となり、ディスカッション、ブレインストーミングを通して多角化戦略、成長戦略の青写真を描く。時に、クライアントの名刺を持って海外提携先との交渉を行う、または、有能な人材をスカウトしヘッドハンティングを行う、などという仕事も増えてきている。現時点で、レポート一冊いくら、という仕事はほとんどしていない。


 そんな中、CEOの側にいて感じることは、彼らには全く情報があがってこないということだ。これは、特に伝統的な会社、歴史の古い大企業ほどその傾向が強い。笑い話がいくつかある。私が社長室にあがっていこうとすると受付から企画室へ自動的に情報が流れ、「何をしに来たのか」と大騒ぎになる。何か、まずいことを言ってはいないかと気が気でないわけだ。また、中期経営計画を立てている時も、投資対効果計算を行っている時、大きく「これぐらいの費用がかければ3年後にこれぐらいのリターンが出る」という中間報告をCEOに告げようとすると、部長あたりが大騒ぎをし出し、「確定した数字ではないので言っては困る」と騒ぎ出す。数十億の話の中で、数千万程度の誤差に後一週間かけるのであれば、現時点の概算を不確実性も含めて報告しておいた方が、経営判断を誤らない、と説得しても「正確ではない」の一点張りで言うことを聞かない。


さらに、事業戦略のオプションを考えているとき、良いアイデアが生まれたら、その場で紙にパッと書いて社長室に持って行こうとすると、「ちゃんとパワーポイントに落とせ」、「アジェンダを組め」など、体裁を整えることに必死になる。その体裁に3人の人間を動員し、3日かけてやるのだから、その非効率たるや想像に難くないだろう。


 こうして、CEOのところにあがってくる情報は、確かに、当初の数字よりはいろいろなアサンプションが組み合わさり、それなりに細かい数字になっているのだが、3人も一週間かけて作り出すほどの違いではない。それ以上に、その一週間で交渉が頓挫したり状況が変わったりする方が怖いわけだ。こういう仕事をしていると、コンサルタントという立場の良さをつくづく感じることがある。やはり、私の場合は「雇われ」だから、ある意味フェアでCEOの視点でいろいろな助言、提言ができるのだが、組織の中にいれば、自分の評価にもつながるし生活もかかっている。当然、できるだけよそ行きな格好で経営トップを話をしたいのだろうが、その組織の成長という意味で言えば、何の効果もない(無駄でしかない)という感じだ。

* この文章は河合拓の個人ブログ 「事業再生コンサルタント河合拓の視点」の過去のものから抜粋しています
もっと読みたい方は→http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000975.html


【著者】
河合 拓 (かわい たく)
経営コンサルタント 広く流通、小売業界に対して事業の立て直し、組織改革などを行っている。得意領域はマーケティング、事業戦略、生産性向上、営業改革、ナレッジマネジメント導入など。手がけた企業は国内外の大手上場企業。製造業、IT 企業、総合商社、流通企業など。赤字の上場企業を半年で黒字化させるなど、過去5社の立て直しを行いすべて成功裏に終わっている。


NPO法人FRIの設立者(現在はシニアアドバイザー) 自民党への政策提言、私立大学と大手商社と産学協同ブランド開発プロジェクト、大学生向け就職支援、中小企業向けコンサルティングなどを行っている。

(講演、執筆)


繊研新聞 (全国紙)
「ザ・ターンアラウンド」アパレル業界の事業再生 2007年 9月より連載予定
「間違いらだけのQR」「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」連載


チェーンストアエイジ 「キャッシュフロー経営」
大手都銀向けビジネス雑誌寄稿
大手製造業向けビジネスマガジン寄稿


政策学校一新塾 (大前研一設立) 講師 経営戦略アドバイザ
「ロジカルシンキングと会議の設定」
「仮説構築と情報収集、分析の技術」
「プロジェクトマネジメント」
「モチベーションマネジメント」

 

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