JAL 国内線ファーストクラス導入を分析する

JAL国内線にもファーストクラスが導入され、サービスが拡大されている。しかし、彼らの戦略を見ているとマーケティングの本質を見誤っており、ブランド毀損が起きているということに気づいていないことがわかる。
JAL国内線にもファーストクラスが導入され、サービスが拡大されている。しかし、彼らの戦略を見ているとマーケティングの本質を見誤っており、ブランド毀損が起きているということに気づいていないことがわかる。
今回のファーストクラスは、従来はステータス取得者でしか入れなかったプレミアムラウンジや搭乗時の名前でのご挨拶なども含まれている。しかし、「贅沢」と「特別」の境界線が曖昧になり、FSP(フリクエントショッパーズプログラム)顧客が混乱し始めているわけだ。
ファーストクラスというものは、そももそ「お金」で「贅沢」を買うものだ。極論を言えば「金を払えば贅沢は青天井」でもよいといえる。一方、「特別」は決してお金では買えない。ビルゲイツが登場したてのSONYのAIBOを購入しようとしたが買えなかった、または、田園調布の某テニスクラブはお金を積んでも会員の紹介がなければ入会できない、というのに似ている。同様に、ステータス取得者だけが得られるサービスというものは、それだけで残しておく必要があり、例えば、プレミアムラウンジ、または、(たとえ、エコノミークラスに登場しようと)搭乗時にチーフパーサーがでてきてお名前をよび挨拶をしてくれる、などのサービスだ。プレミアムラウンジには、たとえファーストクラスの客でもいれてはいけないと私は思うし、ステータス会員であればエコノミークラスであろうと挨拶するぐらいがよい。これは、由緒正しい会員制クラブに六本木のIT成金がいきなり入ってくるようなものだからだ。こうすることでファーストクラスとエコノミークラスの両方を囲い込むことができる。
おそらく、年間50回以上のフライトという気が遠くなるような努力で得られるステータスが、たった8000円のアップチャージで簡単に得られるようになれば、ステータス会員はANAなどに流れてしまうだろう。せっかく囲い込んだ顧客をわざわざ逃がしているようなものだ。私は、この二つも持ち合わせていないいたって普通の搭乗者だが、純粋なマーケティングの観点からJALの戦略に苦言を呈したい。
キーワードは「特別」と「贅沢」をしっかり別けて考えることである。
この記事はFRI Magazineからの抜粋です
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000975.html
【著者】
河合 拓 (かわい たく)
経営コンサルタント 広く流通、小売業界に対して事業の立て直し、組織改革などを行っている。得意領域はマーケティング、事業戦略、生産性向上、営業改革、ナレッジマネジメント導入など。手がけた企業は国内外の大手上場企業。製造業、IT 企業、総合商社、流通企業など。赤字の上場企業を半年で黒字化させるなど、過去5社の立て直しを行いすべて成功裏に終わっている。
NPO法人FRIの設立者(現在はシニアアドバイザー) 自民党への政策提言、私立大学と大手商社と産学協同ブランド開発プロジェクト、大学生向け就職支援、中小企業向けコンサルティングなどを行っている。
(講演、執筆)
繊研新聞 (全国紙)
「ザ・ターンアラウンド」アパレル業界の事業再生 2007年 9月より連載予定
「間違いらだけのQR」「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」連載
チェーンストアエイジ 「キャッシュフロー経営」
大手都銀向けビジネス雑誌寄稿
大手製造業向けビジネスマガジン寄稿
政策学校一新塾 (大前研一設立) 講師 経営戦略アドバイザ
「ロジカルシンキングと会議の設定」
「仮説構築と情報収集、分析の技術」
「プロジェクトマネジメント」
「モチベーションマネジメント」
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