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マーケティングの飛躍とその理由

2007年6月 3日 by 理事長 清水 知輝   ブックマークに追加する

理事長 清水 知輝

マーケティングは最近のトレンドである。私も前職では多くの企業のマーケティングを支援した中で、機能を強化しようと躍起になっている企業にたくさん出会った。
しかし、マーケティングやブランディングの基本的な考え方や、なぜ重要性が増しているか、については、ほとんどの人が理解していないようにも感じる。


特に日本において、マーケティングが急に重要度を増したように見えるのは、きちんと理由がある。

日本が遅れていたから、という理由もあるが、本質的な理由は、市場のスピードが増した、からだ。
「なーんだ」と思うかもしれないが、これは非常に重要な観点である。ただ、それにも増して重要なのは、何に対してスピードが増したか、ということだ。

実際、市場のスピードはいわゆる資本主義市場になってから、いや、その前からずっと早くなり続けている。
しかし、それでもマーケティングがここまでクリティカルになる事はなかった(特に日本では)。
これは、マーケティングの役割、が関係している。

答えを先に言ってしまうと、市場のスピードが技術革新のスピードよりも速くなってしまった、という事だ。

実際、生活レベルが変化するためには、技術革新が欠かせない。ライフスタイルを捉えたマーケティング、と言っても、結局のところ、それを実現しているのは、革新とまで言えなくとも技術の適用に変わりない。
そして、生活レベルが変わる時に、市場というのは大きく動くのも、また事実である。

しかし、特に先進諸国において、生活に関する技術レベルは、一定を保てるところにまで来ており、人々の創造的活動が活発化するに従い、それに技術革新が追いつかなくなってきている。
それはそうだ。過去10年以上かかるような技術革新を2~3年、いや1年程度で求めるのが、今の世の中である。
そうなれば、技術革新が当然追いつかなくなる。
将来的にもそうかはわからないが、現時点においては、それが目立ちつつあるのだ。
特に日本は技術革新速度は先進諸国の中でも速かったが故に、そのインパクトはより大きく感じられるだろう。

それでも企業は収益を上げねばならない。
そうなると、技術革新に頼れないから、もっと低コストで小さくても良いので成果を短サイクルであげられる、マーケティングに目が行くのである。
マーケティングが重視されるのは、このような構造要因からと言って他ならない。

これから言える事は、誤解を恐れずに言えば、
「マーケティング」とは「テクノロジー」と「マーケット」の間を「穴埋め」するための手法、
但し、非常に強力な手法であるという事である。

なので、マーケティング単体で価値を創造する事はできず、あくまで、補完する事により価値を生み出す、ものなのである。
だからこそ、一定以上の科学性は担保されなければならないのである。

マーケティングは、致命的な穴を埋めることが出来れば、とても大きな成果を生み出す事が可能である。
但し、穴を埋める以上の価値創造は出来ない事は認識しておかなければならない。
現状においては、致命的な穴が多数あるため、まだまだマーケティングは重要かつ強力なものとなる事は明らかだ。
しかしながら、それを使う者は、同時にその限界を知らねばならず、マーケティングが全てだ、と言わんばかりの考えは捨てねばならない。
そうでなければ、マーケティングは今の重要な立場を追われる事になるだろう。
マーケティングを担う者は、それをしっかりと心に留めておいて貰いたい。

最後にまとめよう。
マーケティングが特に日本において重要性を増している。それは、市場のスピードが加速し、技術革新が追いつかなくなったからだ。
そのため、その間でも変化を持たせるために、マーケティングという強力な考え方に真剣に目を向けるようになってきた。
しかし、マーケティングは強力ではあるものの、消費者の認識との溝を埋めるためのものであり、マーケティングが全てであるというような慢心は捨て、真摯に消費者と向き合う事が重要である。

今後、マーケティングはコンサルティング同様、専門家ではなく、皆が普遍的に持つべき能力であると考える。だからこそ、その原理や重要である理由については理解しておいて欲しい。


より詳しく知りたい方はこちらへ⇒ 筆者メルマガ「FRIマーケティング&キャリア(旧就職参謀)」

◆筆者紹介
FRI&Associatesの草創期メンバーで、現在NPO法人FRI&Associates代表理事。
外資系コンサルティングファームにて、事業戦略、業務改革、IT導入などを手がけ、その後ベンチャー企業に転進。経験を活かし、あらゆる改革・企画・管理業務を担い、業績拡大を支えつつ、多数の業界大手企業のマーケティングコンサルティングに従事する。実践的なアプローチにより実績多数。
現在はIT系投資育成企業にて、子会社の事業企画や経営改革にあたる。

 

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