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ファシリテーションの本質

2007年7月21日 by アドバイザー 河合 拓   ブックマークに追加する

アドバイザー 河合 拓

ファシリテーションという言葉が流行っている。複数の人が集まって議論をしているとき、論点を整理したりポイントを浮き彫りにするための仕掛けをいろいろ行う人のことをいう。このように言うと、なんのことやらよくわかりにくい気もするが、ようは、その人がいると議論がスムースに進んでいく、みんな気持ちよく議論ができる、という人と思って間違いない。ファシリテーションをする人をファシリテータというのだが、このファシリテータ、自分で意見を言ったり、自分で意志決定をしたりしないというのがミソである。他人が意志決定できるようにする人なのである。

 このファシリテータ。最近では大変重宝されているらしい。というのは、会社の会議で本気でぶつかれば、なかなかものが解決しないからであろう。逆に言えば、会社の会議というのは最初から落としどころが決まっており、出席者はうなずくだけ、というケースが多いのだ。大きな会社になればなるほど、本気で議論しなければならないテーマが少なくなってくる。だから、満を持して立ち上げたプロジェクトなどが実施されたときは、ファシリテータが必要になってくるのである。

 さてさて、ファシリテーション能力だが、これは何かの訓練を行ったり、お勉強をしたりしてもなかなか身に付かない。実は、ファシリテーションの神髄は「人間観察力」にあるからだ。というのは、会議で対立が発生したり、その対立をほぐすには、人と人の微妙な意識の差や感じ方の差から発生することが多く、そのあたりの微妙な「場の読み方」をしらないと、いくら技術的なファシリテーションを知っていても、実際のファシリテーションはできないからである。

 ものの本を読めば、会議とは「知的格闘」であり、積極的に議論を展開せよ、などと書かれているものもあるが、私はそうはおもわない。知的格闘と言い切るためには、会議に出席している人間が、聞く力、理解する力、伝える力の3要素をしっかりもっているという前提が確認された場合においてである。私が知る限り、会議で議論が対立するのは、それ以前の問題。つまり、へんな言い方をする、変な理解をするなど、内容ではなく、形式上のコミュニケーションギャップから生じるケースがほとんどであるということだ。このレベルの議論のズレが発生する限り、どんなにがんばっても知的格闘などできはしない。客観的に、そして、スマートに議論を整理して、まとめあげるスキルが必要になってくるのである。たんなる潤滑油と思ってなめてはいけない。上手なファシリテータが議論に加われば、もう「ファシリテータなしには議論ができない」ほどの存在になるはずだ。

もっと読みたい方は→FRI Magazine: http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000975.html


【著者】
河合 拓 (かわい たく)
経営コンサルタント 広く流通、小売業界に対して事業の立て直し、組織改革などを行っている。得意領域はマーケティング、事業戦略、生産性向上、営業改革、ナレッジマネジメント導入など。手がけた企業は国内外の大手上場企業。製造業、IT 企業、総合商社、流通企業など。赤字の上場企業を半年で黒字化させるなど、過去5社の立て直しを行いすべて成功裏に終わっている。
NPO法人FRIの設立者(現在はシニアアドバイザー) 自民党への政策提言、私立大学と大手商社と産学協同ブランド開発プロジェクト、大学生向け就職支援、中小企業向けコンサルティングなどを行っている。


ベンチャー事業会社経営顧問(社長付け経営戦略アドバイザー)グローバルに展開するアパレル企画会社の社長直属の戦略アドバイザーを務め、アジアに展開するブランド戦略に関する立案を支援している。また、公開企業のコンサルティング事業部、部長代行も勤める。


(講演、執筆)
繊研新聞 (全国紙)
「間違いらだけのQR」「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」連載
チェーンストアエイジ 「キャッシュフロー経営」
大手都銀向けビジネス雑誌寄稿
大手製造業向けビジネスマガジン寄稿
政策学校一新塾 (大前研一設立) 講師
「ロジカルシンキングと会議の設定」
「仮説構築と情報収集、分析の技術」
「プロジェクトマネジメント」
「モチベーションマネジメント」

 

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