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リーダーの役割

2007年7月18日 by 副理事長 三島 正寛   ブックマークに追加する

 副理事長 三島 正寛

こちらのFRIコラムを毎回読んでくださっているみなさんは、おそらく普段リーダーとして組織やプロジェクトをまとめる経験の多い方々だと思う。仕事でのプロジェクトマネージャー、ゼミのリーダー、サークルのキャプテン、学生団体の代表、、、などなど、これまでに少なからずリーダーを経験してきていることだろう。私自身も、副代表としてこのFRIを牽引したり、FRIのイベント運営のリーダーとしてチームをまとめたり、FRIを通して数多くのリーダーの経験を積ませてもらっている。そして最近、手探り状態で悩みながらリーダーとしての経験を積む中で、徐々にリーダーとして大切なこと、果すべき役割が見えてきたところだ。
 
本稿では、私自身が実際に経験した失敗をもとに、リーダーの陥りやすい過ちとそれを避けるためにリーダーが心がけるべきことについて述べたい。

 
 
【私のおかしたリーダーとしての過ち】
今年も、FRI最大のイベント「Summer Camp 2007」が開催される。「Camp」とは、FRIが主催するビジネスコンテスト合宿で、学生の方向けにすでに4年以上も継続的に続けてきている。(興味のある方はこちらをご覧ください↓)
http://www.fri-associates.com/camp/
このキャンプ、今年は過去最大の100人規模で行われる予定だ。これまでの最大規模ということもあり、これまでのやり方と全く違ったやり方や内容を新たに企画する必要がある。そのため、キャンプの運営スタッフは、毎日新しい企画の検討や作りこみに忙しく取り組んでいる。
 
実は私はこのキャンプのリーダーをしている。私と同年代の若手社会人スタッフ5,6名と一緒に協力し合いながら、キャンプの企画を進めているのだ。このプロジェクトのリーダーである私は、メンバーをまとめ、プロジェクトの進捗を管理していく役割を担っている。そんな折、先日、こんなことがあった。
 
メンバーの一人から、このような指摘を受けたのだ。「最近のプロジェクト運営は、オペレーションばかりに偏りすぎていて、正直何のためにそれをやっているのかよく見えなくなってきている。」「日々何時間も労力と時間を割いてキャンプを運営しているみなさんは、一体何のためにこの活動をしているのか、きちんと見えているのか?」と。
 
確かに、ここ数日は企画内容に関わる重要な企画や作業が集中し、スタッフの各人のやるべき仕事が膨大になってきていた。FRIのスタッフは忙しい職業についている人たちが多い。彼らは、FRIで培った能力を職場でも遺憾なく発揮し、職場の中でも重要な役割を果している。必然的に、彼らの職場での仕事量は多く、毎日終電まで仕事を続けている人たちがほとんどだ。彼らは、厳しい仕事を終え、電車に揺られて家路につき、やっと自宅まで帰ってきた後から、疲れた体にムチを打って、FRIの仕事に取りかかるのである。必然的にFRIの仕事が増えてくると、肉体的にも精神的にも余裕を持って仕事に取り組むことが難しくなってくる。その結果、次第に目先の仕事に追われ、それをこなすことが目的化してしまい、難しいことは考えずただ目先のオペレーションを黙々とまわすようになってしまう。彼はその点を指摘していたのだ。
 
彼のその指摘を聞いた時、私は今までの自分のリーダーとしての行動をはたと振り返った。限られた時間の中で、やるべき事をこなし、プロジェクトの進捗を推進・管理していくことにばかりに注力するあまり、メンバーが一体どのような思いでプロジェクト運営に関わっているのか、それぞれのメンバーの状況をすることを忘れてしまっていた。プロジェクトの進捗ばかりに注意をとられ、メンバーを見ていなかったのだと。
 
 
【リーダーの役割は、ビジョンを語ることである】
リーダーの役割は、ビジョンを語ることだ。ビジョンとは、「組織が目指すべき方向性、目標」であり、そして「なぜそこを目指すべきなのか、そこを目指すことによって何が得られるのかという理由」である。
 
人間は決して機械ではない。毎日毎日何十時間も同じスピードで同じ作業を延々つづけられるわけではない。時には調子の良い日もあれば悪い日もあり、気持ちが高ぶっている日もあれば、沈んでいる日もある。人間は感情の生き物なのだ。そして、その時々の気持ちによって、そのパフォーマンスは大きく異なる。だからこそ、毎日メンバーがモチベーションを高く持ち、意欲的に仕事にあたれることがとても重要になる。
 
そのために必要なものが、「ビジョン」である。メンバーが「今は苦しいけれど、これを乗り越えれば、我々はこれを得ることができる」、「我々はこんな夢を実現するために集い、一緒に歯を食いしばって戦っている」という、自分自身の行動に対する目的意識が、モチベーションを高め、頑張る原動力になるのだ。
 
そして、この「ビジョン」(理念、哲学と言い換えても良いだろう)を組織のメンバーに提示できるのは、リーダー以外にはいない。船の船長が、目指すべき場所を示してくれなければ、乗組員はオールを漕ぐことはできない。逆に、それぞれの乗組員がそれぞれが行きたい方向に向かって思い思いにオールを漕ぎはじめたら、船は全く進まなくなってしまう。目指すべき場所を決められるのは、船長であるリーダーだけなのである。
 
巷のビジネス本を見れば、組織運営に必要なのは、「ビジョン、戦略、戦術、、、」と通り一辺倒なフレームワークがあふれている。「ビジョンを指し示すことが、リーダーの重要な役割である」なんて当たり前のことだと感じている人もいるかもしれない。ただ、本当にみなさん実際にできているだろうか?「ビジョン」という4文字は、頭で分かっているほど簡単なものなのだろうか?少なくとも私はこの「ビジョンの提示」というものができていなかった。リーダーとして力不足だった。しかし、少なくともその重要性を肌で感じ、身を持って学んだ。

各人の役割分担を決め、プロジェクトのスケジュールを設計し、その進捗を管理していくといったプロジェクトマネジメントの観点も非常に重要だ。間違いなくそれもリーダーの重要な役割であり、同じくこれも言葉で言うほど簡単なことではない。しかし、我々はとかく、この「プロジェクトマネジメント」こそがリーダーの能力であり、役割だと勘違いしがちだ。きっとやっていることが目に見える形で見えやすいからだろう。ただ、その一方で、組織のメンバーに対して目指すべき方向を指し示すことは、同じくリーダーとして重要な役割なのである。それができるリーダーの元に人は集まり、嬉々として自らの力を遺憾なく発揮してくれるのだ。

 
◆著者紹介
三島 正寛 (みしま まさひろ)
総合電機メーカーにて営業企画を経験後、企画部門のあり方に限界を感じ、自ら志願して現場の営業に異動。新規商品の事業拡大・販路開拓の営業に従事。2年間で多大な実績を残し、事業拡大に大きく貢献する。
現在、FRIの副代表理事。FRIがNPO法人化する以前から組織の運営参画し、早4年になる。今後、ますますFRIという組織を拡大・成長させるために代表の清水とともに日々奮闘中。


 

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