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パワーミーティング

2007年7月 7日 by 創設者 河合 拓   

創設者 河合 拓

 私が出入りしているクライアントでは、パワーミーティングというものをやっている。このパワーミーティングでは「発言するか否か」ではなく、「発言の中にあるインサイト」を重視するのだ。


 だらしない会議の典型は、一人の人 (大抵は声の大きな人) がつらつら脈略のないことをしゃべり続け、沢山の人間が一生懸命メモを取る、または、メモを取っているふりをするという会議だ。そういうときは、「無言はノーバリュー」などといって、無理矢理発言をさせるコンサルファームもあるそうだが、私から言わせれば、発言された内容に価値がなければ、いくら発言をしてもノーバリューには変わりない。そんな子供だましの振り付けをやっても、議論の質は一向に上がらないだろう。

 先日、クライアント先で「パワーミーティング」を実施した。なぜなら、会議が極めて形式的で、一人一人が情報の伝達をやっているに過ぎなかったからだ。すかさず私は、「単なる情報の伝達だけなら、メールでやるべし。ここは会議の場なのだから、インサイトを出してもらいたい」と言い切った。また、私はすかさずホワイトボードに会議のルールを定義した。


1.情報の伝達は背景の説明にとどめ、1分で説明すること
2.その背景の中で、自分が感じた課題、発見、フレームワークなどインサイトを提示すること
3.全員で、そのインサイトを議論し、当日の会議中で解決案をアクションレベルまで出し切ること
4.出した解決案は、かならずノートに書き留め、翌週の会議でその成果を報告すること


 私はよくセミナーで「会議の方法論」をレクチャーするのだが、あれは、所詮はHOW論でしかない。パワーミーティングというのは徹底してWHATを追求する場なのである。このパワーミーティング、かなり好評で、議論は深夜まで続いたのだが、内容的には十分実りのあるものだったし、その組織が持っている課題などがすべて明らかになった。


 このパワーミーティング、そうとうスキルフルなファシリテーションが要求されるが、きっちりと組織にインストールされると確実に組織力が上がってくる。


 パワーミーティングの成功の鍵は、一にも二にもファシリテーターの質である。ここにボンクラが入るとまったく議論にならないだろう。ファシリテータが持ち合わせているべき資質というものは、まず、ロジカルシンキングだ。これで、いろいろな議論の論点整理を行う。次に、オーラ、プレゼンスである。議論が白熱してくると対立が発生する。その時、ファシリテータに「雰囲気」があれば、一発で議論が収束するからだ。そして、最後に「気遣い」だ。特に、秀才タイプに多いのは、キレキレのロジカルシンキングで議論をバッサバッサと切り刻むのだが、みんなに「嫌な奴」、「生意気な奴」と嫌われ、会議の後には徒労感しか残らないというパターンだ。こういうときに、細やかな気遣いができると強い。とくに口べたな人の意見を綺麗にまとめ、「こういうことが言いたいんですよね」と言い換えてあげるスキルなどは、専門的な訓練を受けないと素人には難しいだろう。


 会議の進め方、などという本を読んで会議の無駄を無くそうと考えてもほとんど無駄な努力になると思う。結局の所、HOW論では効率は上がるだろうが、質は上がらないのだ。質を上げるためには、高い専門性を持ったファシリテータの存在がポイントとなる。ぜひ、このパワーミーティングにチャレンジしてもらいたい。


もっと読みたい方は→FRI Magazine: http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000975.html


【著者】
河合 拓 (かわい たく)
経営コンサルタント 広く流通、小売業界に対して事業の立て直し、組織改革などを行っている。得意領域はマーケティング、事業戦略、生産性向上、営業改革、ナレッジマネジメント導入など。手がけた企業は国内外の大手上場企業。製造業、IT 企業、総合商社、流通企業など。赤字の上場企業を半年で黒字化させるなど、過去5社の立て直しを行いすべて成功裏に終わっている。
NPO法人FRIの設立者(現在はシニアアドバイザー) 自民党への政策提言、私立大学と大手商社と産学協同ブランド開発プロジェクト、大学生向け就職支援、中小企業向けコンサルティングなどを行っている。


ベンチャー事業会社経営顧問(社長付け経営戦略アドバイザー)グローバルに展開するアパレル企画会社の社長直属の戦略アドバイザーを務め、アジアに展開するブランド戦略に関する立案を支援している。また、公開企業のコンサルティング事業部、部長代行も勤める。


(講演、執筆)
繊研新聞 (全国紙)
「間違いらだけのQR」「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」連載
チェーンストアエイジ 「キャッシュフロー経営」
大手都銀向けビジネス雑誌寄稿
大手製造業向けビジネスマガジン寄稿
政策学校一新塾 (大前研一設立) 講師
「ロジカルシンキングと会議の設定」
「仮説構築と情報収集、分析の技術」
「プロジェクトマネジメント」
「モチベーションマネジメント」

 

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