FRI トップ > FRIコラム > Current Topics > スパ施設の今後を占う

スパ施設の今後を占う

2007年7月 8日 by スタッフ 木原 工   

スタッフ 木原 工

昨今、渋谷のスパ施設で爆発が発生し、死傷者が出るいたたまれない事故が発生した。
このような惨事が発生すると、その業界全体の印象が悪くなり、
客足が遠のくという事が発生する傾向がある。
今回は、スパ業界の今後について、どうなるか考えてみたい。

スパ施設とは、マクロ的には、いわいる「安・近・短(安い、近い、短時間)」の
満足度を提供する施設である。スパ施設を見ると、町中にある銭湯のようなものから、
都市部にある宿泊施設もセットになっているようなサウナ施設のようないわゆる
スーパー銭湯の様なものまで幅広い。
共通することは、お湯につかることでリラックスが出来ることに加え、
マッサージやサウナなどのリラックスを促すサービスや、
飲食施設等の外食サービスを重ねることで、相乗的に癒しの効果を得ることを提供しているといえる。
このようなサービスは、温泉宿で宿泊して得られる満足を、
都市部で安価で手にはいるようにアレンジしたものといえる。
温泉宿のイメージの延長線上にあるため利用者は、
価格制約の比較対象を温泉宿に設定する。このためスパ施設は、
銭湯が担う公衆衛生の寄与という側面ではなく、余暇施設としての側面を持つことになり、
利用者へ価格の高いサービスを提供することになっている。
なおこのような理由より、安近短のサービス市場の拡大と共に、スパ施設も拡大を続けている。
 
 
 
スパ施設は、サービス需要者側から見ると、隙間時間において、
癒しを提供してくれるところが魅力的である。
スパ施設に行くときの気持ちを自らに問い合わせると、正直、能動的に行くような所ではない。
どちらかというと、土日に、やることがないが2~3時間隙間的な時間が空いてしまったときに、
スポーツのようなハードなことではなく、テレビのようにだらだらと過ごすのではなく、
ちょっとした外出をしながら疲労をとれる場所と言うときに、白羽の矢が立つ施設である。
大抵のスパ施設は、混雑していたとしても、入場を断れるほど盛況になるものでも無く、
時間的な制約が少ない。
  
  
  
さて今回あげた論点は、「スパ施設大きな事故があった場合、
スパ施設への誘因は下がるのか」であるが、今回は「下がらない」と考えられる。
社会的な事件は、市場全体での問題と、個者の問題に分けられる。
市場全体の問題というのは、たとえば社会保険庁の年金台帳の記載ミスなどは、
全体の問題である。この場合は担当者の事務の変更では対応できず、
組織全体の問題を解決する必要がある。
一方、たとえば近年ミートボールの製造会社で不祥事が起きたが、
この結果冷凍食品産業が落ちたかと言えばそうではない。
これは、個社のミートボールの会社が市場から撤退することで解決されるからである。
今回のスパ施設は、くみ上げ施設の一部でガスが貯まったと言うことであった。
この辺は技術的な話となるが、換気の必要性に対して有過失であったか否かが論点になるが、
建築基準法上の換気能力を有していたか否が争いになると思われる
(温泉法と公衆浴場法は換気の制限がない)。
  
  
  
 というわけで、今回の事故については、
事故を起こした個者の問題に起因するところが大きいため、
他の施設にも連鎖して同じような問題が発生するとは考えにくい。
この点において、スパ施設への不安感の波及が限定的であるのではないかと考えられる。
(本見解は、個人の見解によるもののため、内容を保証するものではありません。)

 

この記事の評価(平均点): 1.2/5 (これまで 5 人が評価しました)

  • Currently 1.2/5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

FRIではご覧になった皆様の評価を常に大切にしています。良い評価も悪い評価も執筆者の大きな励みとなりますので、お気軽に☆マークをクリックしてこの記事を5段階で評価してください。

コメントを投稿する

※投稿が完了するとメッセージが表示されます。投稿ボタンを押してから少々の間お待ちください。

カテゴリー別 最新記事

Current Topics
地方創生の本質とは ~抽象論では地方は再生しない~
大阪都構想を考える ~賛否を判断する視点・論点~
【ケーススタディ】日本国家改革論 第三章『地方自治(政治・行政)のあるべき姿とは』
【ケーススタディ】日本国家改革論 第二章『国家財政基盤の構造改革におけるポイントとは』
【ケーススタディ】日本国家改革論 第一章『国家のトップのあり方とは』
東日本大震災の中長期的復興政策とは ~社会資本整備と財政基盤、原発問題を考える~
日本における教育の問題点と学力低下 ~ゆとり教育はなぜ失敗したのか~
農政改革と地方再生を考える ~地域格差と農業再生~
『朝青龍問題』に見る、マスコミ報道の論点整理力のなさ
「原発停止による電力不足」から考える ~太陽光発電活用とエネルギーミックスによる効率化の実現~
セカンドライフの今後を占う
スパ施設の今後を占う
「エコ」の見方
コムスン問題の論点 ~行政とマネジメントのミスリード~
商業施設出店の今後を占う
キャリア・就職
最適な就職先の選び方とは ~後悔しない企業・会社選択方法とキャリアプランニング~
非エリートキャリアのすすめ
ジョブキャリアとヒューマンキャリア
大企業と小企業のどちらに就職すべきか
将来の目標設定の必要性
「ベンチャー企業」か「大企業」か~就職先としての違い~
もしももう一度就職活動をやりなおせたら・・・
「勉強」と「仕事」の大きな違いとは ~仕事の本質を探る~
就職活動からの自分ブランディング ~就職活動でやるべきこととは~
グローバル化がビジネスキャリアに与えるインパクト ~激動の時代を生き抜くために~
キャリアに対する考え方
データ分析
ビッグデータの本質とは ~その特性・限界から考える活用範囲~
数値の本質を読む力とは ~インサイトによる実践的分析とシミュレーションの問題点~
デフレはいつまで続く? ~マクロ経済分析の限界とマーケット視点の重要性~
プロフェッショナル
学びと成長の本質とは ~学習能力と成果を高める方法~
知らずに陥る魔の思考停止とは ~仕事ができない・成果がでない理由~
プロフェッショナルな仕事とは ~そうでない仕事との違い~
答えに「する」力
なぜ、人の「成長スピード」に大きな差が生まれるのか
Morning Cafe Office
ダメな会議、ダメな上司、ダメな仕事
ホワイトカラーが陥る5つの落とし穴
塩一つで思考を広げることができるか
一流になるためのファッション
「あいまい」は「無責任」のあらわれ
プロフェッショナルとは?
マネジメント・リーダーシップ
優れた叱り手とは ~部下を伸ばす叱り方~
リーダーシップにおける3つの勘違いとは ~リーダーの真の役割を考える~
「軸」を定める ~課題遂行における本質とは~
リーダーに求められる力・必要とされる力
部下の叱り方
マネジメント力4 ~優れた上司とは~ 『成果を出すためにどうすべきか』
ファシリテーションの本質
リーダーの役割
マネジメント力3 ~優れた上司とは~ 『異性(男性・女性)の部下のマネジメント方法とは』
パワーミーティング
マネジメント力2 ~優れた上司とは~ 『優れた部下育成のあり方とは』
マネジメント力1 ~優れた上司とは~ 『管理職におけるビジネス社内情報管理術』
チェンジマネジメントの本質
女性社員の扱い方
マーケティング・ブランディング
マーケティング力を高める7 『ニーズを生みだす~商品・サービス開発の方法論~』
JAL 国内線ファーストクラス導入を分析する
航空会社は機内食をコンビニのお弁当にせよ
10万円の高級靴は結局得になるか?
間違いだらけのマーケティング
マーケティング力を高める6 『ブルーオーシャン戦略(BLUE OCEAN STRATEGY)』
マーケティング力を高める5 『新マーケティングミックス』
マーケティング力を高める4 『コミュニケーション・ミックス』
マーケティング力を高める3 『コンセプトを打ち立てる』
マーケティング力を高める2 『ターゲットを絞る』
売上至上主義の弊害~日本企業が陥る過ち~
マーケティング力を高める1 『マーケティングとは何か』
ICHIKAMIに見るブランディング戦略
マーケティングの飛躍とその理由 ~マーケティングが企業の命運を担う日~
仕事術・思考方法
五郎丸ポーズから考える習慣力
なぜ一年の計は失敗するのか
意思決定の科学
アイデアを実現し成果をあげる方法 ~新しい事を成功させる秘訣とは~
議論がうまく進まない理由とは ~無駄な会議を減らし成果をあげる方法~
シンプルに捉える秘訣 ~切り分けることの重要性~
コストをかければサービスが良くなるのか? ~サービス向上で陥る罠と嘘~
仕事は対応を後回しにするほど、業務量が増える ~仕事がはやい人の法則~
仮説と勘を分けるもの
仕事のスケールをあげる
モチベーションの上げ方
コミュニケーション力のインパクト
問題解決力を鍛える方法
問題意識の無いところに、問題解決は無い
仕事が「はやい人」と「おそい人」の違いとは
提案力・営業力
お客さまの心をつかむとは
営業力強化のポイント3 『顧客と正しく付き合う』
営業力強化のポイント2 『自信を持つ・強みを持つ』
営業力強化のポイント1 『ストーリーを描く』
日常スキル
日経新聞はこう読む
コイの処方箋
文章は誰でもきれいにかける(2)
文章は誰でもきれいにかける(1)
業種・業界・職種
機能しない情報システム部
コンサルタントを活用「できる」会社と「できない」会社 ~元コンサルタントが語るコンサルタント活用法~
企業の再生・育成の仕事 ~真のハンズオンとは何か~
時代遅れなメーカーの実態
コンサルティングの現場とは
経営戦略論
ビッグピクチャーを描け ~改良改善の積み重ねでは真の改革・創造は生まれない~
企業参謀
戦略立案の実務
フレームワークから考えてはいけない
ダイナミックストラテジー
コストワールドとスループットワールド

著者別 最新記事

創設者 河合 拓創設者 河合 拓
JAL 国内線ファーストクラス導入を分析する
企業参謀
航空会社は機内食をコンビニのお弁当にせよ
仕事のスケールをあげる
10万円の高級靴は結局得になるか?
戦略立案の実務
間違いだらけのマーケティング
コミュニケーション力のインパクト
答えに「する」力
部下の叱り方
問題解決力を鍛える方法
Morning Cafe Office
フレームワークから考えてはいけない
ダイナミックストラテジー
アンストラクチャーなテーマに軸をはる

 >>他記事はこちら(記事一覧)

スタッフ 木原 工スタッフ 木原 工
お客さまの心をつかむとは
ジョブキャリアとヒューマンキャリア
大企業と小企業のどちらに就職すべきか
日経新聞はこう読む
セカンドライフの今後を占う
将来の目標設定の必要性
スパ施設の今後を占う
文章は誰でもきれいにかける(2)
文章は誰でもきれいにかける(1)
商業施設出店の今後を占う
 スタッフ スタッフ
モチベーションの上げ方
『朝青龍問題』に見る、マスコミ報道の論点整理力のなさ
問題意識の無いところに、問題解決は無い
ダメな会議、ダメな上司、ダメな仕事
リーダーの役割
営業力強化のポイント3 『顧客と正しく付き合う』
営業力強化のポイント2 『自信を持つ・強みを持つ』
営業力強化のポイント1 『ストーリーを描く』
もしももう一度就職活動をやりなおせたら・・・
「あいまい」は「無責任」のあらわれ
プロフェッショナルとは?
時代遅れなメーカーの実態
キャリアに対する考え方
スタッフ 宮崎 善輝スタッフ 宮崎 善輝
コイの処方箋
「エコ」の見方
理事長 清水 知輝理事長 清水 知輝
地方創生の本質とは ~抽象論では地方は再生しない~
大阪都構想を考える ~賛否を判断する視点・論点~
ビッグデータの本質とは ~その特性・限界から考える活用範囲~
アイデアを実現し成果をあげる方法 ~新しい事を成功させる秘訣とは~
【ケーススタディ】日本国家改革論 第三章『地方自治(政治・行政)のあるべき姿とは』
【ケーススタディ】日本国家改革論 第二章『国家財政基盤の構造改革におけるポイントとは』
【ケーススタディ】日本国家改革論 第一章『国家のトップのあり方とは』
優れた叱り手とは ~部下を伸ばす叱り方~
東日本大震災の中長期的復興政策とは ~社会資本整備と財政基盤、原発問題を考える~
日本における教育の問題点と学力低下 ~ゆとり教育はなぜ失敗したのか~
議論がうまく進まない理由とは ~無駄な会議を減らし成果をあげる方法~
シンプルに捉える秘訣 ~切り分けることの重要性~
リーダーシップにおける3つの勘違いとは ~リーダーの真の役割を考える~
ビッグピクチャーを描け ~改良改善の積み重ねでは真の改革・創造は生まれない~
コストをかければサービスが良くなるのか? ~サービス向上で陥る罠と嘘~

 >>他記事はこちら(記事一覧)

理事 高橋建人理事 高橋建人
五郎丸ポーズから考える習慣力
なぜ一年の計は失敗するのか
意思決定の科学
仮説と勘を分けるもの
  • RSS