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将来の目標設定の必要性

2007年7月16日 by スタッフ 木原 工   

スタッフ 木原 工

 最近、将来の目標について考えていることが多い。
5年後、10年後にどうあるべきかという問題は、正直かなり難しいものだと思う。
一番難しいのは、その将来像が不明確であったり、本当に実現できるのかどうか自信がないため、具体的な想像できるものに落とし込めなかったり、イメージできたとしても躊躇してしまうことがあると思う。
本稿では、このようななかなか設定することが難しい将来目標の意義について考えてみたい。

1) 目標設定は、強い行動をするために必要である。
 目標は、明確であり、それが自分を今の状況より高いものにしてくれるものでなければ、モチベーションが高まらない。
 適切な例であるかどうかはわからないが、大学受験の時も、理系・文系に分かれた後は、理系の人間は算数・理科を勉強し、文系の人間は国語・社会を勉強する。それもそのはずで、理系の人間が国語や社会が良くできたからと言ってもテストで評価されるときにはその点数傾斜が少なく(私立大学を受ける場合はテストすら実施されない)、逆に文系の人間が数学や理科を一生懸命やったからといってテストという評価軸においては余り高い点数を得られるものではない。これは、受験という評価において、たまたま理系は理数系の科目を重視し、文系は文化系の科目を重視するという設定があるためである。私は、理系の勉強も文系の勉強もどちらも社会を生き抜くためには必要であるため、「私は理系が得意である」とか「私は文系が得意である」という考え方が視点がずれていると思っているが、評価においては理系と文系で分かれているのが現状であり、そのため受験生にとっても科目別にモチベーションが変ってきているのが現状である。
 これは仕事においても同じである。私は、政策立案のために幅広い社会経済環境を調査し、特定の地域における白書のようなものを作っているときにおいて、正直何のためにやっているのかよくわからず、全くモチベーションがわかなかった。しかし具体的なお客さんがどうしてこの調査をする必要があるのかわかるマーケット調査や特定の政策が波及する経済効果の分析などは、アウトプットの位置づけが分かりやすかったため、モチベーションが高かった。仕事の内容は、難しいものや簡単なものなど評価はいろいろあると思うが、結局は自分のその仕事に対する熱意であったり興味であったりでかなり変ると思う。やりがいの視点においては、個人がどの程度その仕事にコミットできるか否かが争点になろう。なぜ仕事にコミットできるかというと、そのゴールであったり効果であったり明確であることで、目標が明確であることがその一因であろう。
 まとめると、行動をするためには、しっかりとしたビジョンや目標がなければ難しいと言うことである。


2) 人生における目標とは
 このような短期間のスパンの仕事において目標が重要なのであるから、人生においても目標設定は重要であろう。皆さんも5年後の目標や10年後の目標を当然に持ち合わせていると思うが、それが前段落で検討した受験や短期間のジョブタスクと同じくらいに明瞭でありビットサイズ(理解が出来る最小単位)まで落ちているかどうか検討することは意味があると思う。
 私が20歳の大学3年生の時は、30歳で自営業の不動産屋を本当に営みたいと思っていた。当時は2000年のITバブルで、旧来からの会社がつぶれ、それにかわりIT業界で若手社長(良いかどうかは別として「ソフトバンク」の「孫正義」や「光通信」の「重田康光」など情報通信でイケイケの会社が注目を集めていた。)がどんどん出てきた時代であった。私もそのような中、大きな会社に勤めても将来どうなるかわからなかった。一方で若い力で起業するブームが続いており、それに強いあこがれを持っていたため、自身が社長になるという目標にモチベーションを感じていた。その過程で、自分の力で仕事を進めるコンサルタントという仕事にあこがれを感じ、それを第一通過点として30歳の目標を達成しようと考えた。結果としては、シンクタンクという仕事につくことになった。
 さて25歳の社会人1年目の時は、自分の育った地域に社会貢献をすることを一生涯の仕事にしたいと思っていた。20歳の時の目標も捨てがたいものであったが、20代前半でFRIでコンサルティングの考え方や心持ちというのを熱心に教えてくれた諸先輩に強いあこがれを持っていたため、それに一歩でも近づきたい一心であった。当初は社会人経験が浅いため、仕事量が非常に多く感じ、量をこなすことに精一杯となり、仕事の意義や目的を十分に吟味しながらやっていたとは言い難い。どちらかというとプロジェクトマネージャーが全体を仕切っていたことに乗っかって仕事をこなしていた感がある。つまり、この仕事がどういった意味で行われており、アウトカムとしてどういう効果が得られるのかと言うことは、プロジェクトマネージャーに丸投げし、せっせと目の前の分析や解析を行っていた感じである。このような状況が3年くらい続き、下積みの長さを感じた。4年目からはだいぶ任されいくつかの自治体の重要政策のフォローを主担当として行ったが、自分の期待していた地域社会貢献の姿とは若干離れていると感じ始めた。このため、再度、目標の設定を行い、自分の20歳の時の目標に近く、最初の会社のノウハウを生かせる会社に転職することを決意した。結果として不動産投資という職を選択した。
 結果として30歳となった今の目標は、組織作りかと思っている。シンクタンクのリサーチの仕事は、孤独な仕事である。某有名シンクタンクのアナリストが痴漢行為で逮捕されたことは記憶に新しいが、業界内部から見ると、このような人が発生する温床はあるように思われる。コンサルタントは、仮説立案をクライアントに発表するため、人との接点が豊富であるが、シンクタンカーは仮説立案を論文や政策資料として発表するため、人との接点が少ない。そのため内向的な人が多くなり、周りの目を気にしない人が多い(テレビを見ていると、シンクタンクのアナリストと呼ばれるほとんどは、おしゃれでないと感じるであろう。)。話が横道にそれたが、要は周りとの関係作りをすることにあこがれているのである。これもFRIの諸先輩方の影響が多いが、ファシリテーションが上手くなることで、仕事のが効率的になるのは確かであると感じている。これを身につけたいと思って、仕事やその他の活動を積極的に行っている。


3) 目標の再設定の意義とは
 結論としては、目標の再設定は、意義があることだと思う。長期的に見ると、私は20歳の目標を果たせていない。ただしこの10年間で自分の中で重要とすることが変ってきている。それは目標を設定することで、まかりなりにも経験を重ね、また周りの人の影響もあり、また当初の目的よりもさらに魅力的な目標を見つけることで、当初の目標は置き換わってしまっている。10年前の目標と現在の目標では、その善し悪しを付けることは出来ず、それは自身が納得するか否かであると思う。現在の価値観からして、10年前の目標を見ると魅力に欠け得ると感じるため新しい目標設定が必要なのだと考えている。また古い目標に固執することは、環境の変化に対応出来ていない現状そのものであり、あまりおすすめできない。よって目標は、常に棚卸しする必要があるものであり、その結果当初の目標が達成できなくなったとしても、それを恥ずかしがることはなく、むしろ新たな目標が見つかったため、より質の高い目標に昇華したものと考えれば良いのではないだろうか。

 まとめると、目標は、達成するためにもちろん必要であるが、行動のベクトルを作るために必要であり、ある一定のスパンにおいて置き換わるものであると考える。また目標が変ることに挫折感を感じる必要はなく、新しい価値観を得たのだと考えれば良いと思う。

 

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