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問題意識の無いところに、問題解決は無い

2007年8月10日 by 副理事長 三島 正寛   ブックマークに追加する

 副理事長 三島 正寛

最近、大前研一の「ロウアーミドルの衝撃」という本を読んで文字通り、「衝撃」を受けた。みなさん、大前研一のことはご存知のことと思うが、この本では彼が分析し予想する、日本社会の現状と将来像について、斬新な意見が述べられている。「斬新」とは書いたが、彼が本書で述べている分析や論理構成を聞くと、彼の主張が実は「斬新」でも何でもなく、日本の現状をありのままに描いていることがよく分かる。この本を読みながら、私自身は「問題解決力」というものについて、大きな気づきを得られた。今日はそれについてお話ししたい。

 
【本書を読んだ衝撃】
最初に断っておくが、大前研一の本のすばらしさを述べることが、本書の目的ではない。伝えたいのは、日本でも有数の問題解決者である大前研一の本書の視点をもとに、「問題解決力とは一体何か?」、「どうやったら問題解決力を向上させることができるか?」ということである。

この本で彼は、日本がもう十数年も前から長期衰退の時代に陥っていること、現在の景気回復の市況というのは一時のまやかしでしかないこと、その衰退の多くは日本のシステムや政治に端を発していることを辛らつに述べている。この本を読んで、私は頭をハンマーで殴られたような大きな衝撃を受けた。まさか日本がそんな状況に陥っていることとは、露ほども認識していなかったのだ。経済や政治にも大して興味が無く、日本は世界第二位の経済大国なんだから、最近は昔ほどの勢いは無いにしても、今後もある程度のレベルでの経済活動は続いていくだろうと漠然と感じていた。
しかし、現在の日本社会は問題ばかりであること、このまま行くと日本の経済、ひいては日本という国自体が成り立っていかないことなど、そこに述べられていた内容は、私の漠然とした思いを根底から覆すものだった。(興味のある方は、ぜひこの本を購入して読まれることをお勧めします)

その時、私が感じたことは、いかに私が今の日本の社会の状況や将来像に対して問題意識を持っていなかったかということである。これだけの状況の中にありながら、私はそのことに何も気づかず、のほほんと毎日を過ごしていたのである。新聞やテレビの情報に踊らされ、内閣がどうだ、輸入の規制がどうだと知った気になって、その実、問題の本質は何一つ分かっていなかった。


【問題解決の第一歩は、問題意識を持つことである】
みなさんのまわりにも、どうしたらよいか分からないようなことに対して、しっかりとその問題の根源をとらえ、それに対して具体的に何をすれば良いかを提示できるという、問題解決力の高い人がいるはずです。その人と我々の違いとは一体なんでしょうか? もちろん、論理的な思考能力であったり、仮説思考能力、分析力といろいろとあるでしょう。ただ、そもそもの問題で、決定的に大きくことなるのは、「問題に対する問題意識があるかないか」です。

つまり、問題解決力の高い人は、様々なことに問題意識を持っています。大前研一の日本社会に対する問題意識がまさにそれです。一方、問題解決力の無い人は、問題に対して問題意識自体ありません。同じ事象を見ても、「ああ、そうなんだ」と頭の右から左に受け流す人とと、「なぜそうなっているんだろう?、本当にそうだろうか?」と考える人と、問題自体を正確に把握しその原因を追究する力、また、その問題に対する解決策を提示する力が同じはずがありません。
 
 
【問題意識を持てば、問題解決力は高まる】
会社にお勤めの方は、会社の内部の問題について考えてみて欲しい。例えば、業務の効率化の問題、人の組織の問題、営業上の問題などなど、会社における問題の多くは、「そもそもその問題自体が誰にも認識されていない」ということが多いはずだ。
非効率な業務のやり方を、「これが昔ながらのやり方だから」とか、「今までこれでやってきたから」と何の疑問も抱かずにやり続けたり、商品の営業スタイルを、時代や顧客のニーズに合わないにも関わらず、同じ過ちを延々と行い続けて売上が上がらなかったりと、そんなことのオンパレードなはずである。

また、自分自身の能力の向上や自己改善についても同様である。みなさんは、自分自身の性格や考え方の改善すべき点を明確に意識できているだろうか? 自分がどういう欠点や問題点を持っていて、どういった能力を鍛えるべきなのか、正確に意識できているだろうか?皆さんのまわりにもいつまでたっても成長できない人がいるはずである。彼の何が問題かというと、自分自身の問題点に気づいていないことであるはずだ。

以上のように、世の中で解決されないで残っている問題の多くは、その原因が「問題として認識されていない」ことに起因している。人間は、問題として特定したものについては、ある程度の原因の分析や解決策の提示はできるものなのだ。最初は多少の長短はあるにしても、問題意識を持ち、解決策を提示する訓練をしていれば、その制度はかなりのレベルまで高まる。ただ、そもそも問題意識が無いものには、対処のしようがない。断言していいが、その人は一生かかっても問題解決者になることはできない。

「問題意識の無いところに、問題解決は無い」
「問題解決者への第一歩は、問題意識を持つことだ」

この言葉の意味と重みを分かっていただけただろうか? みなさん自身が真の問題解決者となるためには、常にこのことを意識してみてもらいたい。あらゆる事象に対して、「何か問題はないだろうか?」、「その問題とは一体何なのか?」を常に意識してみてほしい。1年経てば、皆さんの問題解決能力は、飛躍的に向上しているに違いない。


◆著者紹介
三島 正寛 (みしま まさひろ)
総合電機メーカーにて営業企画を経験後、企画部門のあり方に限界を感じ、自ら志願して現場の営業に異動。新規商品の事業拡大・販路開拓の営業に従事。2年間で多大な実績を残し、事業拡大に大きく貢献する。
現在、FRIの副代表理事。FRIがNPO法人化する以前から組織の運営参画し、早4年になる。今後、ますますFRIという組織を拡大・成長させるために代表の清水とともに日々奮闘中。

 

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