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「論理思考」の原点

2007年6月15日 by 理事長 清水 知輝   ブックマークに追加する

理事長 清水 知輝

「論理思考」(ロジカルシンキング)の重要性は、日頃のビジネス現場で感じているように、皆さんもおわかりの通りだと思う。
なぜ重要になったかと言うと、特に日本企業におけるマネジメントスタイルの変化があげられる。


最近は、古い日本的マネジメントが見直されているところもあるが、それでも、昔のように、就職ならぬ就社だった時代は、もはや来ないだろう。それでは、ボーダレス化した経済・社会に対応しきれないからである。
つまり、会社の色に全員を染めてしまい、阿吽の呼吸で仕事を進める事は、どんどんと成り立ちえなくなってきている。

そうなると、より重要性を増すのが「論理思考」である。
つまり、同じ色に染めるかわりを、「論理」という普遍的なものが代替するようになる、ということだ。
これは、会社や業界とか狭い範囲ではなく、全世界的、すなわち人類共通のものである。
だからこそ、きちんと身に付ける事が出来れば、様々な分野において成果をあげる事も不可能ではない。

では、「論理思考」とは、一体何なのであろうか。

「論理思考」のベースは「哲学」である。
荒っぽく言うと、娯楽が今と比べるとほとんどない時代、生活に困らない人達が空いた時間の活用方法として始めた思索が、哲学の源流である。
そのような中で、色々な事について、本質を見い出そうとする努力が続けられた。
だからこそ、「論理思考」のような普遍的な考え方が生み出されたのである。

その根本原理は、大きく言うと二つからなる。
1つは、AであればB、BであればC、ならば、AであればC
もう1つは、全てのものは複数の要素から成り立つ(例:人類は男性と女性で成り立つ)
である。

それだけか、と思われるかもしれないが、有名なピラミッドストラクチャーや3C、4Pなどのフレームワークなど、多くの「論理思考」のための方法論も、ほぼ全てこの原理をわかりやすく、あるいは特定の分野・見方で組み直したものといえる。
それ程、根源的なものであり、だからこそ、非常に重要である。

勿論、最初の要素も、AならばB、ときちんと結びつける力がなければ、そもそも使えない。ここには、大きく思い込みなどが悪影響を与える。そして、実際の仕事においては、真ん中の「B」の部分で上手く繋げられるほど、はっきりと同じだと言えるものも少ない。更に言えば、そもそも繋ぐだけ無意味な情報も多くある。取捨選択の力が求められよう。
また、二つ目の要素も、分解の仕方が、大きく欠落していたり(人類は、10代と20代と30代と40代と50代で構成される⇒0~9歳、60歳以上が抜けている)、きれいに切れずに重なっていたり(全ての人は、猫好きか犬好きのどちらかだ⇒猫好きかつ犬好きがいる)、というようなレベルでは、知っているだけで使えない。物事を俯瞰的に捉えられることが重要だ。

どちらも、論理思考(ロジカルシンキング)系の本を読めば、説明が書いてある事も多いので、ここでは詳しくは省くが、大切なのは、これをきちんと理解して適用できれば、大抵の物事は論理的に考えられる、ということだろう。
世の中には、この手の本が色々と出ているが、書いてある事は、この2つの要素の応用編である。まずは、この原理原則をしっかりと正しく頭に入れて貰いたい。

特に、これからの時代において、「分けて考える」という事は欠かせない。
なぜなら、人はシンプルでないと行動に移せない(一度に確実に出来る事は一つ)のにも関わらず、提供するものが高度化すればするほど、あるいは、関係者が増えれば増えるほど、取り扱う内容は複雑化する一報だからだ。
例えば、最近よく耳にするのが、「改革を行ったせいで、こんな弱者が切り捨てられている。これで良いのか」という論調だ。しかし、よく見ればわかるのであるが、大抵において、それは多くを占めるケースではなく、極稀で極端なケースであるのである。それを元に、改革全体を非難するのはおかしい。
「改革」だけでなく、何かを変えた際には、大部分が良くなったかどうかで、まず判断し、レアケースをきちんと拾ってケアできているか、という部分で検証が必要となるのである。
つまり、大多数を占める「メインケース」と極一部だがインパクトの大きい「レアケース」を、きちんと分けて考えられなければ、大きな変革は行いようがなくなるのだ。

同じく、「関係性を順序だてて見る」という事も、具体的に何を変革するか、という決定をするためには欠かせない。
同じく複雑化したビジネスを含めた社会においては、よしんばゴール像と現状を掴めたとしても、それらをどう結びつけるか、すなわち、戦略立案を行うのは容易ではない。
AからBに至る関係性を、正しい順序で結びつける事ができなければ、実現はおぼつかない。これは、人に説明したり、説得する際も同じである。

個々については、様々なスキルがあり、巧拙はあると思うが、結局のところ、この2つが押さえられていなければ、創造や変革は難しいのである。


最後にまとめてみよう。
「論理思考」は就社でなく就職である現代において、普遍的なルールとして重要性を増す。
それ自体は、2つの要素から成っており、それをまず正しく理解する事が、論理思考の応用力を高める上で大切であるし、その2つを最優先で考える事が、論理思考を間違いなく行う上で重要である。
実際、ビジネスモデルも、この「分けて考える」「関係性を順序だてて見る」事ができれば、基本的な部分は概ね理解でき、新たに構築する事も難しくなくなるのだ。
但し、それぞれの要素自体の深さも要求されるので、それは忘れないで貰いたい。


より詳しく知りたい方はこちらへ⇒ 筆者メルマガ「FRIマーケティング&キャリア(旧就職参謀)」

◆筆者紹介
FRI&Associatesの草創期メンバーで、現在NPO法人FRI&Associates代表理事。
外資系コンサルティングファームにて、事業戦略、業務改革、IT導入などを手がけ、その後ベンチャー企業に転進。経験を活かし、様々な領域で改革・企画・管理業務を担い、業績拡大を支え、多数の業界大手企業のマーケティングコンサルティングにも従事。実践的なアプローチにより実績多数。
現在はIT系投資育成企業にて、子会社の事業企画や経営改革にあたる。

 

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