FRIメールマガジンの紹介
【FRIマーケティング&キャリア(旧就職参謀)】
「キャリアを構築する」という考え方は、これからの時代には必要であるが、終身雇用が長く続いてきた日本において、先駆者が非常に少ないため、自らだけではなかなか上手くキャリアを切り開くのは難しいのも事実です。
本メールマガジンは、「就職」というスタートからキャリア構築に至るまで、マーケティングの観点と戦略的思考を取り入れることで、これらの難しい課題に対し、一定の切り口を提供し、皆さんがキャリアを構築していく際の思考力を養うための、キャリア構築支援メルマガです。
(昨年から、学生だけでなく20~30代ビジネスパーソンも対象に含めた形の内容にしています)
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/17/P0001700.html
【FRI Magazine】
FRIマガジンは、NPO法人FRI&Associates設立者であり、コンサルタントである河合によるメルマガです。経営立て直しの生々しい現場から、真実が持つ迫力をもち、ビジネスについて、仮説構築やロジカルシンキング、キャリア構築、スキルアップ、などをテーマにお届けします。全国のプロフェッショナルビジネスマンまたはプロフェッショナルを目指す大学生向け。(7月から経営層向けの内容にしています)
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000975.html
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FRIマーケティング&キャリア最新号より抜粋
『キャリアプランニング/変化の時代を生き抜く』
〓〓【キャリアプランニング】〓〓
一社に全てを託す。これからはますますこのような生き方は難しくなる。それは、企業が自らの強みを活かすべく、総花的な事業展開を慎むようになってきたからである。企業間の競争がグローバル化する以上、今までのように余裕のある事業経営はより難しくなってきている。
そうなると、配属先が合ってない場合に他の事業部や事業子会社に異動することが難しくなるばかりか、事業部門毎他社に売却され、社内での人間関係ではなく、自らの力をベースに仕事をしていく事が、当たり前になってくるのだ。
そして、前シリーズでも触れたように、「コンセプトの時代」が直ぐそこまで来ている。この時代では、一個人の力が今まで以上に問われるようになる。
そのような時代においては、入社する事が目的ではなく、一個人として如何に活躍していけるかが重要となり、結果的に、全ての人が自らのキャリアプランニングを意識していかなければならなくなる。
このシリーズでは、キャリアプランニングの必要性からその実践まで、これからの時代を生き抜く方法・考え方について触れていく。
〓〓【シリーズの始めに】〓〓
「どこに転職すべきでしょうか」「どういうところに入社すればベストだと思いますか」
そんな質問を受ける事が多くなってきた。
私個人としては、転職を奨励するつもりは全くない。出来れば、なるべく同じところに勤められる事の方が、成果を短時間で出すには楽であるし、人間関係を考えれば、そちらの方が良い。
やはり、世話になった上司や一緒に頑張った同僚、慕ってくれる部下を置いて去るのはつらい。
しかし、そこで力を発揮出来ないと確信したならば、早めに転部・転職することをお薦めするし、私はそうしてきた。
そして、それによって、短期間で成果を挙げてきたのも事実だ。
ただ、キャリアプランニングとは、どこから行けば良い、というものではないし、転職したからといって築けるものでもない。
つまり、転職するタイミングは人に聞くべきものではないし、最初に入社するところに、全般的にベストなところなどないのだ。
そこで、その問いに答える代わりに、キャリアプランニングという考え方について、このタイミングで触れてみようと思う。
これを読んで、キャリアとは何か、改めて考えるきっかけにして貰えればと思う。
〓〓【キャリアプランニングとは何か】〓〓
「キャリアプランニング」と聞いて、何を思いつくだろうか。
私には関係ない、と思うだろうか。
それとも、やっぱり転職しなければダメなのか、と感じるだろうか。
私の周りでも、この言葉を聞くと、直ぐに転職と結びつける人がいて、腰がひけてしまう人がいる。
確かに、転職、というのは重要なキーワードになるのであるが、イコールではない。
そもそも、そういったイベントとは異なるものだ。
「キャリアプランニング」とは、言葉の通り、キャリアを計画的に構築する、という考え方である。
つまり、日頃から「キャリア」についてどうしていくかを考える、というものであり、特別なものではない。
単に、今までは考えなくとも会社が用意するレール上で競っていたら良かっただけであり、それが特殊な環境であったといえる。
つまり、評価軸は異なるが、中学・高校・大学のような受験と同じようなもので、ある程度、やることが見えていた。
いや、まだ受験の方が受ける学校を選べただけマシかもしれない。
それが、ビジネスの世界でも同じく続いていた。
確かに、大量生産時代においては、それでも良かっただろう。しかし、既に、それらは過去のものとなった。
そう考えれば、ずっと1つの会社にいて、自分のキャリアについても、全てを会社に任せていたこと自体が特異であることがわかるだろう。
今まで、キャリアについても、必要な経験は何でどの部署で学ぶのが良いのか、どの程度までいけば役職者に据えるべきか、何から何まで会社に考えて貰い、何も考えなくても済んでいた事態が特殊なのであって、これからは、当たり前ではあるが、自分のことは自分で考える必要が出てきた、ということであろう。
その考える対象が、キャリアであり、それを常日頃から考えることが、キャリアプランニングなのである。
それが、如何に普通のことなのか、お分かりいただけただろうか。
〓〓【何をすべきかわからない】〓〓
しかしながら、特に最初の入社の時など、何をすべきかわからないことも多いだろう。
ある種、仕方のないことかもしれない。
だが、ベストな解など、経験を積んでも同じく見つからない、ということも、理解しておいた方が良いだろう。
これは誤解されがちであるが、何か学校での勉強のように、これをやれば正解、というものは、キャリアの世界にはないと言って良い。
それは、同じ仕事をやっても、楽しいと感じる人も言えば、合わないと思う人もいるからである。
例えば、ちょっと前(今も?)流行った外資金融の仕事であるが、私や私の周りの人間は、高い給与を貰えるとしても、興味を持てない仕事だ、と言っている。
このように、人には向き不向きがあり、それ以上に、好き嫌いがある。
だからこそ、誰にとってもベストな答えなどと言うものはないのである。
まずは、そこから理解することから始めるべきであろう。
何度も言うが、正解などないし、答えがないと動けないというのは、答えを掴む事を自ら放棄しているのと同じことなのである。
では、どうすれば良いのか。
これについては、何度も言うが解はない。
しかし、幾つかの解に至るための考え方はある。
「最初の一歩の重要性」
「ロールモデル」
「成果主義」
これらの考え方を持つ事で、ベストではないかもしれないが、より良いキャリアを築く事が可能となるのである。
これらについては、このシリーズの中で触れていきたいと思う。
(以下、省略⇒メルマガ本編にてご確認ください)
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【就職参謀】(毎月5日・20日発行)
◆発行:FRI&Associates 代表理事 清水 知輝
http://www.fri-associates.com/
◆著者紹介
FRI&Associatesの草創期メンバーで、現在NPO法人FRI&Associates代表理事。
他にIT系持株会社にて子会社の業績向上のため、各種プロジェクトに従事する。
コンサルティング会社(金融及び通信メディア業界担当)での事業企画、業務改善、IT関連コンサルティングの経験や、ネット系マーケティングリサーチ会社での事業提携・企画、商品企画、業務・組織改革、管理職や各種プロジェクト管理、大手飲料・食品・流通クライアント企業へのマーケティングアドバイス業務などの多様な実経験を活かし、子会社の業績向上に向け、多岐に渡る領域でコンサルティングや経営改革、事業推進、人材育成等の業務を行っている。
※本マガジンの無断での引用、転載を禁止します。
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【過去マガジン紹介】
〓〓<<FRIマーケティング&キャリア>>〓〓
<リーダー・メーカー>(2008年 2月~現在)
『リーダーになり、リーダーを生み出すためのノウハウを開示します』
第98号:目標の「具体化」と評価「基準」
第97号:「意思決定」を浸透させる
第96号:「意思決定」とは何か
第95号:「リーダー」が「リーダー」を育む
<事業戦略の本質>(2007年 9月~2008年 1月)
『これから更に重要性を増していく「事業戦略」の本質に迫ります』
第94号:スタートアップ期における事業戦略
第93号:事業戦略総論
第92号:現場で動かす
第91号:人的リスクを乗り越える
第90号:全体感をもって捉える
第89号:事業責任は明確か
第88号:価値が相互に提供されるか
第87号:如何に利益をコントロールするか
第86号:ビジネスモデルと呼べるか
第85号:なぜ、事業戦略なのか
<キャリアプランニング>(2007年 4月~ 8月)
『キャリア構築とは一体何か。これからの時代に必要な考え方を解説します』
第84号:目指すべきキャリア
第83号:活躍経験を積むための仕事選び
第82号:仕事の仕方を身に付ける環境選択
第81号:身につけたいスキル
第80号:経験すべき仕事とは
第79号:これからのキャリアの積み上げ方
第78号:成果主義
第77号:ロールモデル
第76号:最初の一歩の重要性
第75号:変化の時代を生き抜く
<マーケティングの欺瞞>(2006年11月~2007年 3月)
『これからのキャリア構築に欠かせない実践的マーケティングを解説します』
第74号:マーケティングの本質
第73号:コンセプト立案のポイント
第72号:コンセプト立案の実務
第71号:コンセプト立案の位置付け
第70号:売上の呪縛
第69号:マーケティングミックス
第68号:商品コンセプト
第67号:CMの効果
第66号:マーケティングの可能性
第65号:マーケティングとは何か
<キャリア~自分自身が決定者~>(2006年 4月~10月)
『キャリアに悩む人に送る、小説タイプで語るリアルなキャリア構築』
第64号:キャリア構築とは
第63号:モチベーション
第62号:機会
第61号:新たな役割
第60号:ターニングポイント
第59号:成長の節目
第58号:拡大
第57号:ベンチャー
第56号:選択
第55号:大切なもの
第54号:想い再び
第53号:きっかけ
第52号:決断、その後
第51号:プロローグ
<FRIマーケティング&キャリア オープニング>
第50号:自分自身を省みる
第49号:何から始めるべきか
〓〓<<就職参謀>>〓〓
<マーケティングに学ぶ就職シリーズ>(2005年10月~2006年 2月)
『帰ってきた戦略的就職。マーケティングノウハウを更に重点追加し再構築』
第48号:バランス感覚
第47号:採用者と消費者の共通点
第46号:「できること」と「できないこと」
第45号:「軸」という視点
第44号:セルフマーケティングのススメ
第43号:マーケットイン・プロダクトアウト
第42号:販売力は高められるか
第41号:商品価値とは何か
第40号:就職活動生から見たマーケティング
第39号:マーケティングとは何か
<「若手ビジネスパーソンに贈る」シリーズ>(2005年 6月~ 9月)
『「ここが足りない!勿体ない!」と思うポイントを解説します』
第38号:仕事をコントロールしよう
第37号:便利さに溺れない
第36号:信念を持とう
第35号:成長の条件
第34号:話を聞こう
第33号:メモを取ろう
第32号:「主張」と「評論」(後編)
第31号:「主張」と「評論」(前編)
<戦略的就職シリーズ>(2004年12月~2005年 5月)
『就職を新たなる視点で再構築。参謀として戦略的に就職に挑む』
<戦略的就職シリーズ:自分ブランディング編>
第30号:4Pで自分を高く売るために(詳細編)
第29号:4Pで自分を高く売るために(概要編)
第28号:AIDMA+Sで気持ちを掴む(詳細編)
第27号:AIDMA+Sで気持ちを掴む(概要編)
第26号:3C(環境分析)で現状を的確に把握する(詳細編)
第25号:3C(環境分析)で現状を的確に把握する(概要編)
<戦略的就職シリーズ:自分マネジメント編>
第24号:「プロジェクトマネジメントで最後まで走り抜ける」(詳細編)
第23号:「プロジェクトマネジメントで最後まで走り抜ける」(概要編)
第22号:「PDCAサイクルで勝ち抜く」(詳細編)
第21号:「PDCAサイクルで勝ち抜く」(概要編)
<戦略的就職シリーズ:導入編>
第20号:戦略的就職「戦略的とはどういうことか」(詳細編)
第19号:戦略的就職「戦略的とはどういうことか」
<ベンチャーと大企業シリーズ>(2004年 8月~11月)
『「ベンチャーへ行くのって不安」だけど大企業も実は不安だらけ』
第18号:ベンチャーと大企業「結果」
第17号:ベンチャーと大企業「転機」
第16号:ベンチャーと大企業「事業」
第15号:ベンチャーと大企業「人材」
第14号:ベンチャーと大企業「権限」
第13号:ベンチャーと大企業「待遇」
第12号:ベンチャーと大企業「違いを認識する」
<就職の現実シリーズ>(2004年 6月~ 8月)
『自らを商品と捉えなおすことで新しい就職観が見えてくる』
第11号:就職の現実・第4回「3Cの融合が結果に繋がる」
第10号:就職の現実・第3回「競合はどこにいる?」
第9号:就職の現実・第2回「市場に近づけ!」
第8号:就職の現実・第1回「自らを説明せよ」
<採用面接シリーズ>(2004年 4月~ 6月)
『「面接って何だろう?」そんな疑問に答えます』
第7号:企業人事部門も「見えない世界」で答えを探す
第6号:答え無き採用選抜
第5号:個別面接は適職のバロメーター!?
第4号:集団面接はこれで勝ち抜け!
第3号:進む面接の集団化
<就職参謀 オープニング>
第2号:「見えない企業」とキャリアプラン
第1号:「企業の目的」と「気持ちの一人歩き」
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FRI Magazineは再生コンサルタントである著者が独自の視点でビジネスを語ります。
FRI Magazine最新号より抜粋
「本質へ近づくための洞察力を持つ」
本質を見る目がないために、取りうるべきうち手が見えなくなり、トンチンカンなことを繰り返している例に遭遇する。これからのビジネスマンは、何が本質かのかということに対して強い洞察力を持たねば競争に勝てなくなる可能性が高くなる。今日は、いくつか、会社の中で「常識」と思われている典型的な失敗パターンをご紹介し、私の経験からその本質を導き出し、このように考えれば裏にあるメカニズムに迫ることができるのだという例をご呈示したい。ここにあげる事例は、きわめて一般的であるがゆえに、うっかりすると見過ごすことばかりである。
【コミュニケーションはソリューションではない】
「もっとコミュニケーションをよくしないと」というと、世の中にこれに反対する人はいないと思う。しかし、反対する人がいないからといって、このうち手が有効であるかどうか、というのは別問題だ。
仕事をしていると、まずは徹底したヒアリングからプロジェクトを始めることが多い。そうした時、かならず出てくるのが、若手社員からの声で、「私は過去何度も職場の改善案を提案しているのに、それらをすべて上司が踏みつぶしてしまう。まともに取り合ってくれない。これではやる気がなくなってしまう」というものだ。
特に、若手ががんばっている会社ほど、こうした声をよく聞くし、このメルマガの読者であれば、過去一度や二度ぐらいはこうした不満を抱いたこともあるかもしれない。こうした意見が若者から出てきたら、決まって出てくる意見は
「お互いにもっとコミュニケーションをよくしなければ、もっとよく話し合わなければダメだよね」という「ソリューション」だ。
そして、ノミュニケーションを始めたり、車座と称して部長が若手を集め、意見交換会をやったりしはじめるわけだが、こうした努力はほとんどのケースが徒労に終わるのである。
【まずは科学的アプローチを】
さて、私はそういうときに若者から出てくる「改善案」を見てみる。そうすると、「女子のお弁当部屋がないので、組合室に作ってほしい」とか、「債権管理の付け合わせが面倒だから、システム化すべきだ」とか、全く自己中心的なものか、投資金額やリスクについての言及もせず、思いつきで発言しているものが99% を占めていることが分かる。
若者のほとんどは、「改善案」と「思いつき」の違いさえ理解できていないのである。例えば、「うちの商品には戦略がないよ。だから、戦略をはっきり作るべきだ!」などともっともらしい意見を部長に言っても、その戦略はいかなるものか、という点が問題なのであって、「戦略を作れ!」などというのは、きわめて他律的、つまり、無責任な評論の域を出ていない。さて、ここからこの問題は次の二点に絞られることが分かる。
1.「若者の提案」が提案として成り立っていないことが多い
2.若者が「提案の仕方」を知らない
ということなのだ。私の経験から、「若手の声を上が拾ってくれない」、「現場の声はなかなか実現されない」というケースのほとんどがこのパターンである。しかし、日本企業には変な癖があって、「できる限り若者の意見は聞いてあげよう」「押しつぶさないでおこう」という無意識の了解がある。さらに、管理職自身がしっかりとしたリーダーシップもなく、また本質的を見抜く力もないため、「ふんふん」と適当に聞いてごまかしてしまうのだ。そのごまかしが、いっそう若者を怒らせ、しらけムードが漂うというのがこのパターンなのである。
このケースに対して有効なうち手は、二つある。一つは、事業部の方針、各階層における役割と期待責任を明確にするということだ。この役割と期待責任が不明確だから、「お弁当部屋をつくれ」とか、「戦略を作れ」などという文句がでてくるのだ。うち
の事業部は、こういう方向に進んでいる。そのために、あなたはこれをやってくれ。これがあなたに期待することだ、というミッションを若者や現場に与えていないから、問題意識が散漫になり、あれやこれや、文句がでてくるのだ。これは、組織の問題である。
事業会社の多くのケースは、仕事に明確な始まりと終わりがなく、ルーチンなしごとを毎日、毎日同じように続けている。さらに、期初にたてた目標など「努力目標」であって、達成しようが達成しまいがボーナスも給与も保証されている。このような体制だから、社員は自分が何を期待され、何をやればよいのか理解できないのだ。
【もう一つの問題】
次に、正しい提案のルールを若者に教えていないということがある。提案というのは、
・何が問題なのか?
・その問題を解決するための方法はなにか?
・また、それ以外の方法はあるのか?
・あった場合、それぞれのメリットとデメリットは何か?
という4つを示さなければならない。私の知り限り、ほとんどの「提案」は、これらをすっ飛ばし、思いつきで、「あれをやってくれ」、というものが多い。大体、「上が決めてくれない」などという人間に限って、「上が決めるための条件」を提示していないのがほとんどなのだ。決めるための材料もないのに、「決めてくれ」などというのは無責任である。あなただって、何も分かっていないことに対して、「そら決めろ!」と脅されても困ってしまうではないか。
【「上に戦略がない方針がない」は無責任発言】
非常に多くの若者が「上に戦略がない、方針がない」などという文句を言っているのを耳にする。こんなことを言っているようでは、あなたは一生評論家のままである。上が現場の細かいことを見始めたら会社は倒産してしまう。上に決めてもらいたいのであれば、「決められるだけの材料」をきっちり揃えるべきなのだ。例えば、「戦略を作れ」というのであれば、
「競争相手Aが、来年までに新製品を出すという確かな情報をつかみました。その場合、当社が取りうるうち手は、一層の資源投下かこの事業からの撤退です。前者の場合はこういうメリットがありますが、こういうリスクもあります。後者の場合は、こういうメリットがありますが、こういうリスクもあります。どうすればよいのでしょうか」というのが「提案」なのである。
ここまで出して「決められない」のであれば、上が悪い。しかし、ほとんどのケースでは、こうしたことまでやっていないのだ。だから、あなたの「提案」(思いつき)は、却下されるのである。
【本質的な原因とうち手】
私であれば、このケースだったら、まず、若者を集めて「提案」のトレーニングを行う。提案のルール、提案のやり方を一通りトレーニングした段階で、「提案書」の基本フォーマットをつくるだろう。「基本フォーマット」には、単なる提案ではなく、「なぜ、その提案をするのか?その理由を書く欄」、「その問題を解決するためには、他のオプションはないのかを書く欄」、そして、最後に、「それらのオプションはそれぞれどういうメリットとデメリットがあり、あなたはどれを推薦するのかを書く欄」の3つで構成するだろう。こうすることで、若者が提案をするときに「検討すべき項目」を自然に考えるようになるだろう。
さらに、中期的なスパンではそれぞれの組織を調査して、どの組織と階層が何をミッションとするのかということを明らかにし、適切なKPI(評価指標)を設定するだろう。そうすることによって、若者は自分の所属している組織は、何をねらって、どのように会社に貢献すればよいのかはっきり見えてくるからだ。
この二つを行うことによって、必ず若者からあがってくる提案の方向性は統一され、その手法もきわめて科学的なものになってくる。中間管理職の改革は、その後だ。何事も、インプットをしっかり直さなければ、プロセスとアウトプットに手をつけてもうまくいくはずがないからだ。
さて、どうだろう。あなたの会社でもよくお目にかかる、「下からあがってくる提案がなかなか実現されない」「だから、もっと上も下もコミュニケーションをよくしよう」というお決まりのパターンが、いかに的はずれか、そして、本質的な問題が別のところにあるのかよくおわかりだと思う。
このように、皆さんの周りで日常起きている「常識」と思われていることにも、しっかり、その裏にあるメカニズムに目を向けて、その本質をえぐり出せるような洞察力を養ってもらいたい。
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【著者】
河合 拓
メーリングリスト会員 650人、本会員 30名を超すNPO法人 FRI&Associatesの代表
理事、同時にターンアラウンドマネージャー(事業再生コンサルタント)という二つの顔を持つ。
大手製造業、新聞社、商社、流通など手がけた企業は数多く、独自の視点と助言で完全黒字化を達成した企業もある。
全社コーポレート機能強化、事業戦略、営業戦略、間接部門効率化、製造コスト削減など守備範囲は広い。
政策学校一新塾第16期講師
著者へのメール:kawait@fri-associates.com
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